忍者ブログ

adore倉庫

右側兄さんのSS置き場。がくカイが主。
[22]  [20]  [18]  [17]  [16]  [15]  [14]  [13]  [12]  [11]  [10

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

リンメイな感じのもの。(中途半端ですよーw)

リンたんはなんだかんだ言っても、めーさんに弱いと思う。そして、正々堂々!という思考の元に、このまま押し倒したりとかは出来ません←

ぬるい感じの百合もどき。












 ……リビングが騒々しい。また、大人たちとマスターが宴会をしているのだろう。
 この間、宿酔いを起こしてたのに……こりないものだ。
 隣に目をやると、階下から聞こえてくる笑い声を気にせずに寝ているレンがいた。

「……よく寝れるわねー」

 むーっと口を尖らせて、片割れの鼻を軽くつまむ。――本当にVOCALOIDなのか疑わしい。
 明日、早い時間にスタジオに行かなければ行けなかったはずだ。
 それを出して、撤収させようとベッドを抜け出した。



 リビングを扉越しに覗くと、思ったとおりマスターとカイトにメイコが酒瓶を囲んでいた。

 ――あれ? 一人足りない?

 首を傾げたものの、キッチンから聞こえてきたなにかを炒める音に「ああ」と納得した。
 長い紫の髪を落ちないようにまとめて、フライパンを振っている。……つまみが切れたのか。
 そんなことを思いながら、再びリビングに視線を戻す。
 よくよく見れば、マスターはすでに出来上がっていて船を漕ぎ始めている。
 そこから一人分空けて座っているカイトの視線も、どこかぼんやりだ。

「……シラフっていうか、まともなの二人だ……」

 ……けと続けようとして、言葉を呑んだ。
 つまみを持ってきた神威に、「おっそーい」という声が飛ばされた。

 ――うん、めーちゃんも結構来てるわ。

 酒が入りすぎると、人に絡むクセがある。それで、一度ひどい目にあった。――色んな意味で。

「……ということはっ」

 しみじみと思い出していたものを打ち切って、慌てて顔を上げる。思ったとおり、隣に座らせた神威にもたれかかるように体を預けていた。

「だめぇーっ!!!」

 思わず、体が動くままに叫びながらリビングのドアを力任せに引っ張った。
 ほんのわずかに固まる空気。一瞬だけ、気まずい沈黙が流れた後、

「あっれー、まだ起きてたのー?」
 
 のんびりとした声でメイコがこちらを見た。

「起きてるんなら仕方ない。こっちに来なさいな」

 にっこりと上気した頬を緩ませて、手招きをされる。特に断る理由がなく――むしろ大歓迎な状況にいそいそと隣に移動する。
 すとん、と座った途端、

「もーぉ、子供は寝ないとだめじゃないー」

 と自分たちの行動を棚に上げて、メイコの体がしなるようにこちらに動く。
 めっ、と人差し指を立てる彼女に頬を膨らませて。

「めーちゃんたちだって、騒いでるじゃない」

 ついぽつりと零してしまった。言ってから、自分の口元を押さえバツの悪そうな表情を浮かべた。
 
 ――なんて子供っぽいことを……。
 
 がらにもなく出てしまった言葉にうつむいていると、不意に柔らかなものに抱きしめられた。
 なにかわからなくて顔を上げると、すぐそばにメイコの顔があり、彼女に抱きしめられてるとわかる。
 
「それもそうねぇ……リンの言うとおりだわー」

 くすくすと笑って頭を撫でてくる手のひらに、沈んだ気分が晴れてくる。

「いい子には、ご褒美あげなきゃねー」

 未だ上機嫌のままの彼女に引き寄せられて、頬に唇が触れた。
 起きた出来事を咄嗟に処理出来ずに、まばたきをすると、いつもの笑顔を浮かべたメイコに「早くおやすみなさいね?」といわれ、こくんと頷くことしか出来なかった。

 

 
PR
Submit Comment
name
title
color
mail
URL
comment
password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
HN:
月森
性別:
非公開
P R
忍者ブログ [PR]
Template by repe