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右側兄さんのSS置き場。がくカイが主。
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きまぐれキヨゆま

途中までの書きかけだけれど、キリがいいので……。
しばらくしたら消して、続きを書きます。

あ、ただヤッてるだけなのでR18になります。
該当年齢に達していない方の閲覧はご遠慮ください。











 彼の手が肌を滑るたびに、電流にも似た刺激が生まれる。
 ただでさえ過敏になっているのに――。
 回路を焼き尽くしてしまいそうな快楽に、唇を噛んで必死に耐える。
 
「勇馬?」

 そんな勇馬に気付いたのか、肌の感触を楽しむようにくすぐるように触っていたキヨテルが覗き込んできた。
 ふ――と、優しく彼の指が唇に触れる。

「そんなに強く噛むと傷になるよ?」

 触れてくる指と同じように優しい声を、勇馬はぼんやりとした視界で見上げた。
 一体、誰のせいだと思っているのだろう。いくら防音がちゃんとしているとはいえ、もしかしたら聞こえてしまうかもしれないのだ。
 それを切れ切れになっている呼吸の合間から告げても、キヨテルは薄く微笑を浮かべるだけだ。

「大丈夫だよ。そんなこと心配しなくても。それより……」
「……ふぁっ」

 不意に下肢を撫でられ、勇馬の体がびくりと跳ねる。
 愛撫と言うには柔らかなふれあいだったにも関わらず、勇馬のそこは硬く張り詰め、僅かに濡れはじめていた。
 勇馬の変化に驚いたようにキヨテルの目が大きくなる。それをまともに見れず、思わず枕に顔を埋める。

「……そんなに感じてた?」

 首筋に顔を埋めるようにして囁かれ――その刺激にもふるふると体が反応してしまう。
 普段、勇馬は電脳世界にいる。特定の姿を持たない声だけのVOCALOID、VY2。それが勇馬だ。
 購入時にマスターが外見を設定する形になっている。打ち合わせ的なやりとりをするときに、やはり姿が見えたほうがいいらしいという試験時の意見からだ。
 そのときに設定した外見通りのボディをオプションで付けることもできる。
 すでに3体のVOCALOIDを所持していたマスターは、迷うことなくそのオプションも頼んでいた。
 プログラム自体はすでにインストールされ、ボディが届くまでの間、勇馬は電脳世界にいた。
 いざボディが届き、そちらに切り替えようとしたときマスターが倒れ、入院してしまったのだ。
 結局、ボディへの移行はマスターが退院してからとなったのだが、そのときにまた問題が起きた。
 電脳世界で経験を積んでいたせいか、ボディのほうへ移ると、すべての感覚が常に開きっぱなしのような状態になってしまっていたのだ。
 うなじを撫でる自分の髪や、なんでもない動作で肌を擦る衣服。
 それにすら過敏に感じてしまい、疲労とストレスがすぐ溜まってしまい、まともに動けなくなってしまったのだ。
 解決策を探すと共に、徐々に現実世界に慣れて行こうというマスターの提案で、ボディとの接続はひと月に一度、行われていた。
 今日もその日だったのだが、やはり早々に活動の限界が来てしまっていた。
 明日の音録りに備えて、もう休むようにと言われていたのだが……。

「っ……や、ぁ……キヨ、だめっ」

 勃ち上がっていたものをゆるゆると擦られ、自然と腰が浮く。
 勇馬のモノを擦り上げながら、キヨテルは首筋に軽く歯を立てる。

「んっ……キ、ヨっ、俺、明日、歌う……んだって……」
「うん。さっきマスターがそう言ってたからね、知ってるよ」

 それならどうして――と非難がましく見るが、キヨテルにはまったくもって応えなかったらしい。
 鎖骨を甘噛みされて、勇馬の口から艶やかな吐息が零れる。

「それが終わったら、勇馬はまた向こうに戻るでしょう?」

 今を逃したら、こちらでキヨテルに触れ合えるのはまたひと月後になる。
 わかってはいる。明日のことがなければ、勇馬にとっても今の状況は望んでいたものだ。だが――。

「あし、たっ…声、出ないと……困る……」

 自分はVOCALOIDだ。マスターの望むときに声が出なくては、存在意義がない。
 勇馬の訴えに、そこで初めて気づいたようにキヨテルが「ああ」と短い相槌を打つ。

「じゃあ、こうしよう」

 納得したような雰囲気にやめてくれるのだと思ったのだが、思い違いだということにすぐ気付かされた。

「――んっ…ふ、ぁ……」

 唇が柔らかいもので塞がれ、なにか滑ったものが口内に入り込んできた。
 キスをされていて、それがキヨテルの舌だと理解したときには、すでに口腔を蹂躙されていた。
 
「ぁ…ん――……」

 上あごをくすぐられ、舌を絡め取られては吸われる。
 粘膜同士の触れ合いに、勇馬の腰がもじもじと動いた。
 
「こうしておけば、声は漏れないし喉も嗄れないでしょう?」

 文句を言う暇もなく重ねられる口づけに、抵抗などできはずがなかった。
 角度を変えながら深く、濃くなるその行為に勇馬の理性が溶かされていく。もっと……とねだるように、勇馬の手がキヨテルの首に回される。
 触れ合っている唇が、かすかに笑ったような気がした――次の瞬間。

「――は、ふ…ぅ……ンッ!?」

 勇馬の体に電流のようなものが走った。中心をいじっていたキヨテルの手が、いつの間にか動きを再開していたのだ。それも先ほどよりも強い動作で。
 
「ッ、はっ……やぁ、キ……んぅ…っ」

 くちゅくちゅとした水音が上からも下からも、体の内側に響いてくる。
 ――――恥かしい。
 そう思うのに体は正反対の動きをする。キヨテルの手に押し付けるように腰を浮かせ、揺らめかせる。
 息苦しさを感じているのに、嵐のような口づけを止めようとはしない。

「ふ――は、やっ……もぅっ――」

 くびれた部分をゆっくり辿られ、引き攣った箇所を引っ掻かれると、もう我慢が出来なかった。

「――っ、ひっ……や、ぁっ――ッ!」

 ひときわ大きく勇馬の体が震え、キヨテルに握られたそこから白濁としたものが勢いよく噴き上がる。

「……っ、ん……ぁ――」

 やはり、こちらの体で達するのはいつも以上につらい――。
 いつまでも引かない余韻にぽろぽろと涙がこぼれる。それを啄むようにキヨテルの唇が寄せられた。
 
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