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adore倉庫

右側兄さんのSS置き場。がくカイが主。
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吸血鬼+magnet2

ちょっと続けてみたもの。
後半、ぬるいですが下手ですがR-18なのでお気をつけ下さい。

そういうときの文章上手くなりたいです……。

補足設定としては、殿は人間の血が飲めません。今までずっと神祖であるリンの血を飲んでいました。
リン以外で飲んだのは兄さんが初めて、という王道な感じでお願いしますw


















 指先から関節を辿りながら流れていく紅いもの。――甘い、甘い、もの。
 恭しくカイトの手首を掴むと、紅い雫がしたたる指先を含んだ。舌を這わせ、指の付け根まで流れていた血を掬い取る。
 途端、口腔に広がる甘さに、頭の奥がくらりとする。
 ヒトの血がこんなに甘いものだとは知らなかった。この甘さを知ったとき、なぜ他の吸血鬼がヒトを襲うのか理解できた。
 忘れられない、記憶の置く深くに刻まれた味。
 少量でも一度知ってしまえば、離れられない麻薬のようだ。
 
「…………」

 ちらりとカイトの様子を伺いながら、指先の傷口を牙で少しだけ広げる。
 甘い甘い血液。もっと……と求める本能をなんとか抑え付け――けれど、満たされない飢えはカイトに負担がないようにむさぼろうとする。
 指の関節に歯を立て、流血を促す。滲んだ血が舌先に触れれば、すべて食い尽くすように舌を絡めた。

「神……威っ」

 小さな小さな吐息混じりの声に、はっとして、ようやく指から唇を離す。
 よく見れば掴んだ手もカイトの体もかすかに震えていた。
 初めは血を飲みすぎてしまったのかと思ったのだが、滲む青い瞳にそうではないことを察する。
 カイトの頬に触れようとそっと手を伸ばす。指先が軽く触れただけなのに、大きく揺らぐ体。

「カイト……」
「もう……大丈夫でしょう?」

 つい、と視線をそらされながら紡がれた言葉を無視して、掴んでいたままだった手首を自分のほうへと力任せに引っ張った。

「神威!?」

 抗議の声を上げながらバランスを崩すカイトの体をしっかりと抱き締めて、その首筋に顔を埋める。

「……お前にこうして触れたい」

 だめか? と続けながらカイトを見ると、どこか怒っているような顔があった。

「……そんな風に、聞かないで下さい……」

 俯かれながらきつく袖を握られ、小さな微笑を浮かべながら青い髪に口付けた。








 ギッ……と軋むベッドがまるで悲鳴のようだと思う。
 月光に晒される組み敷いている躯の綺麗さを食い入るように見つめる。
 内側を苛む熱を逃すように繰り返される浅い呼吸。
 上下する喉と胸元。―――そこにある、アカいもの。
 誘われるように唇をつけると、カイトの体が大きく震える。呼応するように内壁が熱を締め付け、意図しない低い声が漏れた。
 それをごまかすように、蜜を零している熱を擦り上げる。

「ひぁ……ぁあっ、触らな…くださ……」

 ほんの一瞬前までどこか勝ち誇っていたような瞳が、再び切なげに細められた。
 扇情的に差す朱色に視覚からも情欲を掻き立てられる。
 思考を支配し始めた衝動が訴えるままに、穿つ速度を強めていく。

「っ!? や、あっ…かむ……っんぅ」

 泣き声にも似た甘い声を閉じ込めるように口づけ、舌を絡めとる。
 口腔を蹂躙しながら、熱に絡めた指をゆるゆると動かす。

「んんっ…、だっ…め……」

 角度を変える合間の呟きに、さらに激しいものにしていく。
 次第に荒くなっていく呼吸に自分の限界も近いことを知る。

「ああっ……ん、神威……も、はなし……っ!」

 下から指で輪郭を辿るように撫で、先端の窪みを指の腹で強めに押さえ付けた――と。

「――――っ」

 急に内側を強く締め付けられ、突き上げた拍子にそのまま熱を吐き出してしまう。
 乱れた呼吸のまま視線を落とすと、カイトの熱を覆っていた自分の手もまた白いもので汚れていた。
 あまり深く考えずに、その手を引き寄せる。

「神威……? ――なにをす……っ!」

 カイトの制止よりも早く、指にまとわりついている白濁を舐めとった。

「……甘いな」

 カイトはどこもきっと甘い。もう一度舌を這わせ、指をきれいにしていく。
 ふとわなわなと震えている視線に気付いて、じっとそちらを見つめ返した。

「カイト?」
「…………もう、知りませんっ」

 真っ赤にした顔を隠すように背けられ、目をしばたかせる。

「…………っ」
「んっ……」

 思いのほか勢いよく動いたらしく、未だ繋がったままの場所から振動が来て互いに声が漏れる。

「……抜いて、下さい……」

 シーツに顔を押し付けたまま呟くカイトの姿に、自然と口元が緩んでしまう。
 少し身をかがめて、頬に軽く口付けると、ゆるり、と体を揺らす。

「ぁ……神威……っ」
「まだ足りない……」

 耳朶を甘噛みしながら囁くと、カイトの体が硬直するのがわかった。
 もう触れてはいけないのだろうか?
 そんな思いを込めて答えが返って来るまで見ていると、困ったような微笑が浮かべられた。
 遠慮がちに伸びてきた手を捕らえて、唇を寄せる。
 そのまま指を絡めてしっかりと握り締め、貪るように口付けた。
 
 

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