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右側兄さんのSS置き場。がくカイが主。
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本当の即興文

某方の「縄で縛り」という発言から一気に頭に浮かんだもの。
いつも通り天然殿とクーデレ兄さん仕様。というか、もうこの二人以外かけn(ry
ホントに一場面を切り取ったような感じなので、突っ込みどころ満載ですがそこは見逃して下さいw






 両腕の自由を奪っていた縄を切り解く。久方ぶりに解放されたのか、そこにはくっきりと赤い痕が残っていた。
 うっすらとうっ血しているその場所をそっと労わるようになぞっていく。
 もう少し早くこれればよかった。そうすれば、こんな痕をつけずに済んだのに……。
 溢れる申し訳なさに自然と表情が曇ってしまう。

「……すまない」
「どうして謝るんですか? 神威のせいではないでしょう?……俺が迂闊だったせいです」

 そう呟きながら、忌々しいものでも見るように自分の手首へと視線を落とす。
 痛ましげな赤。今すぐにでも癒せることが出来ればいいのに。
 意味がないと理解しながら、カイトの手を引き寄せ、色が変わっている皮膚へと唇を落とした。

「か、神威……」

 どこかうろたえるような声に顔を上げて、じっとカイトを見る。

「痛いか?」
「いえ……そこまで痛くは……」
「そうか……」

 よかったとも言えず、小さな笑みだけを口元に乗せて、そっと痕に舌を這わせた。
 びくり、と震える体に沁みたのかと伺うとほのかに赤くなったカイトの顔が目に映る。

「カイト?」
「……大丈夫、ですから……」
 ――――だから、離してください。

 消え入りそうな声に手首から口を離し、瞬きをひとつ。

「……いやだったか?」
「……そういうわけでは……」
「それなら……」
「―――ン」

 せめて早く癒えるようにと想いを込めてもう一度、痕を舐め取った。
 かすかな震えとともに零された声。
 やはりいやなのかと問おうとして見つめたカイトの表情がひどく艶めいて映る。

「――――っ」

 なにかに囁かれるままにカイトを抱き寄せ、その体を抱き締める。

「ぁ……神威……」
 
 紡がれる自分の名前に応えるように微笑むと、静かに口付けた。
 
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