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adore倉庫

右側兄さんのSS置き場。がくカイが主。
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吸血鬼もどき。雰囲気エロですにゃー。

吸血鬼ながくカイというの好き過ぎて、ちょこちょこ設定を変えては書いてみたりしてますw
これもそのうちの一つ。雰囲気エロ書くときに吸血行為とかって便利ですよね☆(ぇ





 白い素肌を滴り落ちる赤い雫に、無意識に喉が鳴った。

「……欲しいのか?」

 揶揄うような口調に声の持ち主を睨み付けた。
 闇に落とされてから、ずっとここに閉じ込められている。
 その間与えられるのは、彼の血ばかり。
 拒めば、飢えて狂う寸前まで追い詰められる。
 肘から伝い落ち、床に出来始めている小さな血溜まりにすら眩暈を覚える。
 頭の奥から、体の奥から、あれが欲しいという衝動が湧き上がってくる。
 かぶりを振って、持てる限りの力を振り絞って、その衝動を押さえつける。
 ――いけない。あれを口にしてはいけない。まだ、人でいたいのなら。
 そんな必死な自分を嘲るかのように、すぐそばで低い笑い声が零された。

「……欲しいんだろう?」

 すぐ目の前に差し出された、赤く染まった指。漂ってくる錆によく似た芳香。
 意思に反して伸ばしてしまった手に気付いて、慌てて引っ込める。
 くっくっというこの場に似つかわしくない無邪気な声に、視線がきつくなる。

「……ぐっ!?」

 なにか反論を口にしようと開いた途端、指を無理やりねじ込まれた。
 途端、広がる甘さに理性が溶かされていく。そろりと舌を伸ばし、本能が唆すままに指の形をなぞる。
 舐め取る度に生まれる安堵と満足感に、もっと……と体が囁く。
 夢中になって舐めていると、ふいに口の中から指が出て行ってしまった。

「あ、まだ……ん、ぅ!」

 髪をつかまれ無理やり上を向かされたと思った次の瞬間、乱暴に口づけれる。
 口腔を蹂躙する舌の動きに、頭の奥がぼんやりとしびれ始めていく。

「ぁ、んん……はな……っ」

 歯列をなぞられ、背がびくりと震える。力が抜けていく膝が体を支えきれず、崩れ落ちそうになった。
 咄嗟に神威の服を掴むのとほぼ同時に、抱きとめるように腕が伸ばされた。

「欲しいなら、口にすればいいだろう?」
 
 どちらのものともわからない唾液で濡れた唇がゆっくりと動く。
 ぼぅっとしている思考は逆らうことなくその言葉を飲み込む。
 
「…………ください……」

 浮かんだままの言葉を口にすると、目の前の顔はひどく嬉しそうな笑みを刻んだ。
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